3月17日 「人形の館」
 
 今日は「ねこまんま」の高峰クンと待ち合わせて、東京都現代美術館へ「球体間接人形展」を観に行く。有名な人形作家の作品がこれだけ多く集まるという事は結構珍しいらしい。人形といってもアートなので、普通の可愛らしい物ではなく、多分にエロチックでグロテスクな作品が多い。高峰クンの弁によれば、国際フォーラムでやった「人体の不思議展」の本物が偽物になったような感じだそうだが、なかなか言い得て妙だ。
 
 人形を扱った作品は魅力的だけれど、どこか屈折した感性を漂わせて、とても危険な香りがする。それは幾何学化された人体解剖であったり、疑似フリーク・ショーに見えたりもする。果たしてそれは人間の本質を探る営みなのか?それとも偽りの美学なのだろうか?本物と偽物の境界線が曖昧なので、次第に頭がクラクラして来てしまう。
 
 本展覧会の作品の中には、実は偽物の人形も展示されている(と思う)。「マリオ・A」氏の作品は(恐らく)本物の人間を人形のように見せかけている(のではないかと思う)。これは人形の本質である「曖昧さ」を逆手に取った、実に面白い試みだ。