3月11日 「騙し騙され」
 
 銀行に行ったついでに、例によってTSUTAYAでDVDを借りてしまう。「マッチスティック・メン」は去年劇場で観て、かなり気に入った作品なので買っても良かったのだが、新作コーナーで見つけて思わず借りてしまった。
 
 「マッチスティック・メン」とは詐欺師の事。お話はもちろん面白いのだが、この映画にはいくつもの隠れたフェイクがあり、観客は恐らく騙されていることすら気が付かないだろう。その事実は映像特典のメイキングで明らかにされるが、初めて知った人はかなり驚かされるはずだ。
 
 それはさておき、このメイキングは実に素晴らしい。何とキャスティングからクランクアップ、試写会、撮り直しまで、ずっと映画製作の過程に密着して追っているのだ。その間余計なナレーションやBGMなどは一切無く、関係者の証言と生の声だけで構成しているところが凄い。しかも、リドリー・スコット監督の映画作りをスタッフと一緒に疑似体験出来るところが嬉しい。映画が小品だからこそ出来た企画だろうが、素晴らしいドキュメンタリーだ。それにしてもこの作品、リドリー・スコットの次回作「トリポリ」製作準備の合間に作ったという事だが、かなりの大作らしいのでちょっと気になる。どんな作品なんだろうか?