3月3日 「ひなまつり」
 
 散歩のついでに例によってTSUTAYAに寄る。またまた興味深い作品が入荷していたので、いくつか借りてしまう。これがまたかなりの曲者揃いだった。いや、良い意味で…。
 
 「閉ざされた森」は戦争アクション物かと間違うような装丁だが、内容は全く一筋縄ではいかないサスペンス・ミステリーだ。まるで「羅生門」のようにコロコロと変わる展開に、観る者は最後まで振り回される。真実を語っているのは一体誰だ?事の真相はまさに「閉ざされた森」の中。巧妙なシナリオと演出に、「アイデンティティー」に続き、すっかり騙されてしまった。
 
 もう一つ、「パンチドランク・ラブ」。この監督の作風は面白い。冒頭いきなりパンチをかまして、観客の心を鷲掴みにする手法が鮮やかで、すっかりこの奇妙な世界に引き込まれてしまう。音楽や色彩の使い方が独特で面白い。場面の繋ぎや盛り上げ方が独特で、才気に溢れている。特に「静から動への突然の暴走感」が堪らない。好きだねぇ、こういう感性。