12月7日 「二人の武蔵」
  
 ようやくNHK大河ドラマ「武蔵・MUSASHI」が終わった。とにかく、何が言いたいのか、よく分からなかった。お通は一度だけ「武蔵様」と言ったことがあるが、あとは誰にたしなめられる事もなく、ずっと「タケゾウ!」と呼び捨てにしていた。沢庵和尚が佐々木小次郎に戦いを挑んだのには仰天したけれど、最後までやっぱりこの人が一番強そうに見えた。結局武蔵は何を求めていたのか、よく分からないまま1年が過ぎた。
 
 昨夜のK−1で、もう一人の武蔵はよく頑張った。風邪で体調を崩したレイ・セフォーや前の試合で疲労困憊したピーター・アーツと、運にも恵まれたけれど決勝戦にこぎ着けた。そして、レミー・ボンヤスキーの真空飛び膝蹴りにもよく耐えた。優勝は逃したが、積極的に相手に飛び込んでいく姿勢は今までの弱腰イメージを払拭し、新しく生まれ変わった武蔵を充分観衆に印象づけた。これもプロボクシング元WBA世界スーパーミドル級王者フランク・ライルズとスパーリングを続けた成果だろう。思うに、もっとローキックを多用すれば、ダウンのチャンスもあったのではないか?そんな希望も抱かせる、武蔵の成長を見た。
 
 それにしても、新チャンピオンのフライング・ハイ=レミー・ボンヤスキは華があるねぇ。ルックスは良いし、頭も切れる。華麗な技でKOが取れるチャンピオンと来れば、人気が出ないワケがない。まるでK−1の花形満だ。