10月16日 「打ち入り」

 今度の日曜日は気が重いなあ…
…なんてことはさておき、新しいゲームに登場する新アイテムのメッセージ直しをしているところに、梅崎ディレクターから業務連絡がある。何々…アニメの「打ち入り」(「討ち入り」ではない)だって?もう放送が始まっているんだけど、そういえば無かったなあ。それも今夜!?うひょ〜〜っ!

 そんなわけで夕方から赤坂の料理屋に出掛けた。う〜ん、赤坂は昔から色々と曰くのある街なので、ちょっと早めに行って、付近を廻ってみる。久しぶりに来てみたけれど、随分と街が様変わりしてしまったものだ。昔よく通ったTBSも「猫坂」の電波塔があった所に移動してしまったし、前回のアニメでアフレコをしたスタジオの前も、新しいビルが建つらしく工事中だった。

 矢崎さんの「日本出版社」があったビルは相変わらずだったけれど、近くの風流な喫茶店は無くなっていた。昔は結構落ち着いた街だったけれど、今ではかなり騒々しくなったものだ。これも時の流れだろうが、何かしら寂しさを覚えてしまう。

 「打ち入り」会場に行ってみると、監督他スタッフ一同が既に揃って待っていた。おおっ!福島敦子さんも来ているじゃないか。うう〜ん、私が引っ越してから、なかなか会う機会が無くなってしまったけれど、福島さんとの付き合いももう15年になるのかぁ。何しろまだ生まれていなかった福島さんの子供が、今や中学生だからね。プロデューサーの山元さんだって、初めて会ったのは、まだプレイステーションが生まれていない12年前の事だった。

 ところで、ガミガミ魔王の声を演っている大塚明夫さんに「ER緊急救命室」のベントン先生の話をしたら、「ER」より「ポポロ」の方が付き合いが長いんだと言われてしまった。ああっ!そういえばパイロット・フィルムの頃からの付き合いだったのか!何だか「ポポロ」の歴史をしみじみと感じてしまうなあ。

 「ポポロ」という作品は不思議なことに昔から良いスタッフに恵まれて来た。最初のゲームには「トライアングル・スタッフ」を通じて、福島さん他、中村隆太郎クンや大橋学さん、美術の大野広司さんも参加してくれたし、その後も「4℃」や「プロダクションI.G」「ビー・トレイン」各プロダクションの精鋭達がメンバーに加わってくれた。そして今回のアニメには、更に強力なスタッフが集まって来ているのだから驚くばかりだし、それ以上にスタッフ一人一人が「ポポロ」を愛してくれている事が、何より嬉しい。