7月17日 「出発→到着」

いよいよ今日はアメリカへ出発する。例によってサンディエゴ・コミック・コンベンションに行くのだが、今回はアスカ蘭もダロウ君もメビウスもみんな来ないので何だか寂しいけれど、予定外の事態が起こりそうな予感もする。果たして如何なことになるだろうか?それは行ってのお楽しみ。

成田第2ターミナルで和田慎二さんと合流し、早速出国ゲートに向かう。さすがにSARSやテロ対策で検査が一段と厳しくなっていて、のっけから結構手間取ってしまう。入国審査が済んで安心していたら、更に搭乗前に鞄の中や靴の中を再度検査されてしまう。アメリカ国内はもっと検査が厳しいだろうから、何だか先が思いやられるなぁ。

とにかく度重なる検査を通過し、ようやく飛行機に搭乗する。機内上映のプログラムを見ると、幸い観損なった映画が沢山入っている。こうなったらアメリカまで映画を観まくってやるぞ!…というわけで機内で観た映画の感想。

 「トレジャー・プラネット」:まさに宇宙版「宝島」。巧くまとめられていて、最近のディズニーアニメの中では珍しく充分楽しめた。改めて古典文学の面白さを再認識し、忘れていた熱き思いが甦った。様々な異生物やメカが登場し、CGも多用されているものの、古典的な画面作りに好感が持てる。「21エモン」の様なキャラに少々難はあるが、私の好みにジャスト・ミート。大画面でもう一度観てみたいと思う。何でこれがディズニー興行収入歴代ワースト1なのだろうか?もう少し評価されても良いと思うけれど…。
 
 「スピリット」:とにかく馬の描写に拘った意欲作。モノローグ的なナレーションはあるものの、何しろ主人公ほか出てくる馬は「ヒヒーン」「ブルブル」と馬語しか喋らない。CGとセルアニメ風タッチの融合もかなり進化して、水の表現などに生かされている。しかし、輪郭線がブルー・バック合成の様に青くなるのは何故だろう?私は終始これが気になってしまった。それにしても、この作品をどう表現したらよいだろう?日本公開時のコピーが「きれいな涙」だったけれど、観てみてなるほど表現しづらかったんだなぁと同情してしまう。
 
 機内で映画を観ていたらあっと言う間に時間が過ぎて、気が付けばもうロサンゼルス空港に着いてしまった。こりゃ楽チン、幸先良いぞと思ったのも束の間。ロサンゼルス空港で入国審査の行列に愕然とする。テロ対策でかなり厳重になったため、ものすごい長蛇の列になっている。これじゃ乗り継ぎに間に合わないじゃないか!これから夏休みを控え、大混雑が危惧される。日本人専用窓口でも作っておかないと、これから大変なことになるぞ!
 
 果たして乗り継ぎ時間に間に合うか随分心配したが、幸い列の前方に5人6人という家族連れがいて一気に列が消えたので助かった。これなら何とか時間に間に合いそうだ。が、国内便のターミナルまではものすごく離れているぞ。シャトル・バスを待つより歩いた方が早そうなので、国際便のターミナルから国内便のターミナルまで延々と歩くことに…。
 
 ちなみに現在テロ対策のため、国内便に預ける鞄は鍵を開けておかなければならない。X線で少しでも不審物が映ると全部開けて調べるらしいので、鞄の中身は開けられても良いようにちゃんと整理しておきましょう…って、そんなこと出来るか!
 
 指定のゲートまで行くと、階段を下りてバスに乗るように言われる。バスに乗って空港内の隅にある小さな建物まで移動する。何しろロスからサンディエゴまでは近距離なので、乗る飛行機も小さい。インディー・ジョーンズが乗るようなプロペラ機だ。何だか心許ないけれど、無事にサンディエゴまで着けますように。
 
 願いが通じたのか、プロペラ機は大して揺れることもなく順調にサンデイエゴ国際空港に到着。すぐさまタクシーで市内のホテルへ移動する。チェックインしようと思ったら、予約していたのに、部屋が満杯なので今日だけ別のホテルに移って欲しいと言われてしまう。でもコミック・コンベンションの会場に行くにはこのホテルが便利だから、それは困ると食い下がってみる。すると交渉の結果、1時間ほど待てば新しい部屋を用意してくれるという事になった。やれやれ。
 
 そんなわけで、取り敢えず大きな鞄だけフロントに預かってもらい、先にコンベンション会場へ向かう。会場のチケットは先払いしておいたので、所定の窓口へ通し券となる「バッジ」を受け取りに行く。窓口で日本人だと告げると、係のボランティアが何やら興奮している。日本のアニメや漫画がアメリカで受けているとは知っていたけれど、同じ日本人だというだけで、ここまで喜んでくれるとは少々驚きだ。
 
 「バッジ」をもらって会場内に入ると、更に驚くべき光景が目に入った。会場は例年の倍に広がって、もはや向こう側の壁が見えないくらいのもの凄い広さだ。だがよく見ると、どうも日本のアニメや漫画関係のブースがやたらと多い。もしかして会場の半分くらいはあるんじゃないか?何か異様な光景だなぁ。
 
 その後ホテルに戻ってチェックインを済ませ、ようやくホテルの部屋に入る。初日からトラブル続きだったけれど、何とか無事に済んで良かった。ホットした、ドッと疲れが出て、なんだか眠くなって来た。今日は無理をせず、夕食を簡単に済ませて寝てしまおう。