5月29日 「予言?」
 
 今日の「アンビリーバボー」はマイケル・ドロニズンの「聖書の暗号」についてだった。ヘブライ語で書かれた旧約聖書の文章を一定の間隔で飛ばして文字を並べていくと(実際はもう少し複雑な処理をする)、未来を予言する言葉が見出されるというのだ。初めてこの暗号のことを提唱したのはイスラエルの数学者エリヤフ・リップスだが、新聞記者だったドロニズンはリップスに会ってこのことを知らされ、自らも研究するようになったらしい。
 
 なにしろ304805字もある聖書のことだから、偶然に予言の文字が浮かび上がっても不思議ではないように思うが、リップスらに言わせれば1000万分の一の確率なんだそうだ。でもヘブライ語は子音だけで母音がないから、一つの文字で5通りにも解釈出来るし、適当な法則を割り当てれば、必要な文字を取り出すことはそれ程難しいことではない。
 
 実際、オーストラリアの数学者ブレンダン・マッケイは「戦争と平和」から聖書と同じ様な予言を引き出しているし、多くの暗号マニアが他の文芸小説(「白鯨」とか…)からも同じかそれ以上の予言の言葉を引き出すことに成功している。番組でも数学者ハロルド・ガンズがリップスの論文を批判しようと聖書の解読を試みたところ、リップスも見つけられなかった予言までも発見したことを紹介している。だけどその事が否定するどころか逆にその信憑性を認める結果となったと説明しているのは何故だろう?それって逆じゃないかと思うんだけれどなぁ。
 
 だいたい聖書の本当の原本(つまりモーゼの石版)という物は現存していないし、1000年前に書かれた最古の完全版旧約聖書「レニングラード原本」はもちろん、2000年前に書かれたという「死海文書」でさえも、何度も書き写された写本でしかない。つまり、一言一句完全に正しく残っている原本という物は存在しないのだ。だからその写本から暗号を導き出すという行為自体、はなはだ疑問ではある。
 
 さてここから番組の推測はエスカレートして行く。もし「聖書の暗号」が事実であるならば、そんな大昔に高度な暗号文章を書いた者は誰だろうか?それは神か?高度な文明を持った地球外生命体なのか?それとも未来人か?またドロニズンは「聖書の暗号」の中に「2006年に核戦争で人類が滅亡する」という予言を発見したが、もしそれが正しいなら、未来から人類に警告しているのだろうか?…と「もし」の連発をする。
 
 それにしても、観れば観るほど、まさにアンビリーバボーな番組だ。せっかくノストラダムス騒動もニビル星も去ったのに、人類滅亡の危機はまだ続くのか?2006年が去ったら次はどんな予言が飛び出すのだろうか?