5月27日 「遠すぎた端」
 
 午前中に何とか仕事が片付いたので、昼からいそいそと外出する。家を出た所で一瞬迷って、まずはロイヤルホストに向かう。しかし行ってみてこの選択が間違っていた事に気が付いた。しまった!ロイヤルホストはランチタイムで一杯だ。しかし、ここまで来て後には引けない。仕方ないので暫く店頭で待つことに。いきなり時間のロスだ。
 
 待つこと15分。ようやく席に着いたが、さすがに混んでいてどうも落ち着けない。サッサと軽めにランチを済ませて席を立つ。ところがレジに行くと長蛇の列が出来ているではないか。10人くらいのグループが個別に会計をしていて、更にカードも使ったりするから猛烈に時間が掛かってしょうがない。ようやくレジを済ませて表に出ると、今まさにバスが停留所を出発した所だ。ガ〜ン!次のバスまで20分!タクシーも殆ど来ない場所だし、どうする?
 
 逆方向の停留所に行って時刻表を見ると、約5分後にバスが来るらしい。ならばと潔くコースを変更。逆方向のバスを待つ。が、やはりというか当然の如くバスは遅れてやって来た。とにかくバスに乗って、駅に向かう。何のことはない。来た道を引き返しているだけだ。最初に家から出た時、ロイヤルホストを選ばず反対方向を決断していれば、こんなに時間のロスをすることはなかった。いかん!今日はどうも変だ。
 
 駅に着くと、間が悪いことに丁度急行列車が出た後だった。時刻表を見ると、普通列車に乗っても、次の急行列車に追い抜かれる事が判明。え〜い!こうなったら遅刻確定だ!SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)に電話して、ディレクターの梅崎クンに15分遅れる胸を伝える。
 
 あれこれ乗り継いで新宿駅に行くと、ホームに入って来た丸ノ内線は新宿止まり。次の電車で中野坂上に行き、時計を見るとキッチリ20分の遅刻だった。何だ!丁度バスを一つ待った時間じゃないか。結局のところ、慌てて色々コースを画策しても、全然時間の短縮にはならなかったワケだ。何だか慌てた自分がバカらしくなるね。
 
 さて、SCEで新しいスタッフとグレ〜トな打ち合わせをしていたら、あっと言う間に時間が過ぎて、時計を見ればもう6時!次は六本木で6時半に待ち合わせだ。幸い中野坂上から六本木へは大江戸線で15分。こりゃ楽勝と思いきや、とんだ計算違いがあった。六本木駅から目的の場所へ行く途中に、あの「六本木ヒルズ」が立ちはだかっているではないか!
 
 仕方ないので「六本木ヒルズ」を迂回して行くことにする。しかし「六本木ヒルズ」はひたすら大きい。何てったって馬鹿でかい。行けども行けども端が見えない。遠すぎた端!おかげで又しても遅刻してしまったぞ。「六本木ヒルズ」なんて嫌いだぁ!
 
 そこへ、さくまあきらクンの奥さんから電話が掛かってきた。他の皆さんがスターバックスでお待ちのようだ。今日は東京一予約の取れない店「櫻川」で食事会がある。今夜集まったメンバーはさくまあきらクン夫妻と漫画絵師の土居孝幸クン、ゲームデザイナーの柴尾英令クン、それにサザンオールスターズのベーシスト関口和之さん。ポ仙人も普段ファミレスばかり行っていないで、たまにはこういう店で舌を肥やしておかなければいけない。美食界の桃太郎侍、さくまクンお薦めの「櫻川」とは如何なものか?今宵はわが舌で、思う存分吟味してくれよう。
 
 まずは先付け。うむむ、いきなりこれかぁ〜っ♪もわわわわ〜っ♪ヒラメが美味い。アワビが絶品。こ、こんなところにフォアグラが…♪素材はもちろん、「吉兆」を渡り歩いて修行を続けたという主人の確かな腕が冴え渡る。そして素晴らしいのが、緩急自在の料理の演出。甘味の後には渋味、淡泊の後には濃厚と、食する人の期待に応える細かい心遣いが実に嬉しい。導入からエンディングまで見事に構成された料理の流れはまさに一つの物語。食の楽しさを目と舌と手で充分堪能することが出来ました。リーズナブルなお値段にも感服しました。