5月19日 「空を見よ!」
 
 朝突然思い立って、東急田園都市線の「つきみ野」まで出かける。目指すは「ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野」のあるサティつきみ野なのだが、これがなかなか見つからない。案内図に従って進むが、どうも方向と距離感が今一つ掴めない。大体店の案内図なんて物は、店は過剰に大きく、距離は過小に短く描いてあるものだ。てっきり駅からサティの看板が見えるものと思い込んだ自分が悪い。行けども行けども、何処にもサティの影も形も無いではないか!こんな事で上映時刻に間に合うのか?
 
 と心配していたら、民家の屋根の向こうにサティの看板がようやく現れた。上映時刻まであと15分!走れば間に合う。間に合うかも知れない。汗だくになりながら、サティまでひたすらダッシュ。エレベーターで4階まで上がり、切符売り場に駆け込むと、幸い行列も少ない。間に合った!これを逃がしたら夜まで待たねばいけないところだった。何しろ1日2回しか上映していないからなぁ。
 
 というわけでようやく観ました「WATARIDORI」!なんてったって上映館も少ないし、この「ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野」でも2週間の期間限定上映だから、今日を逃すと大画面で観られなくなってしまうのだ。本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされたことで一躍脚光を浴びた本作だが、そんなことは抜きにしても、とにかくこの映画は凄い!凄すぎるですよ。
 
 一昔前に「グース」という映画があったけれど、雛が卵から孵った時に最初に見た者を親と思う「イン・プリント」を利用するため、わざわざ雛から鳥たちを育てて、鳥の飛行を間近に撮影する事に成功していた。ところが「WATARIDORI」では、これと同じ技法を40種1000羽以上の渡り鳥に行い、100種以上の渡り鳥の生態を見事に捉えているのだ!まさに気の遠くなるような根気と歳月を掛けて作り上げた労作である。
 
 とにかく驚いたのが、空を飛行する鳥たちの翼の羽ばたく音だ。こんな音今まで聞いたこと無かったなぁ。しかも間近に飛行を捉えているので、鳥の飛行のメカニズムがよく分かる。そうか、こうやって飛んでいたのか!同時に、今まで描いた鳥はみんな間違っていたんだなぁと初めて気が付く。これは大きな発見だ。
 
 それにしても、大自然の猛威や弱肉強食の掟を生き抜き、何キロも渡ってきた鳥たちがハンター達に撃ち落とされる様は、観ていてなんともやるせない。渡り鳥たちは何故もこんなに過酷な旅を選ぶのか?それは大きな謎だ。
 
 ついでに「サラマンダー」も観る。あまり期待していなかったけれど、やっぱりそんな出来の映画だった。それでもただ一つ、とても面白いシーンがあった。このシーンだけで、この映画を全て許せる気になる。それ位とっても素敵なシーンだ。もしかして、監督はこれが一番やりたかったのではないだろうか?
 
 それにしてもこの日本版タイトルはおかしい。サラマンダーと言えば四大精霊の一つ、火を司る火トカゲのことだから、本来は翼を持たないし、そんなに大きくはないはずだ。劇中でも一切「サラマンダー」なんて言っていないし、どこからそんなタイトルが出てきたのか理解に苦しむ所だ。でも、まあ炎を吐くことだし、その辺りを強調してみたんだねと納得してみることにしよう。
 
 さて、毎週のことだが、今夜放送の「ERⅧ緊急救命室」はとにかく凄かった。いつもながらテレビドラマとは思えぬそのレベルの高さには感服せざるを得ないが、今日の話はいつにも増して凄い出来だった。こりゃいよいよDVDも買わざるを得ないだろうなぁ。