5月1日 「新吾二十番勝負」
 
 HDDレコーダーが一杯になってきたので、録り溜めておいた番組をせっせとDVD-Rに焼く。そのついでに「新吾十番勝負」を観直してみる。実は私はこの作品が大変好きだ。何しろ主人公のキャラクターが凄い。徳川吉宗公と町娘との間に生まれた息子、葵新吾は自源流の達人にして天下一の美剣士。父母を慕いつつも、持って生まれた正義感から将軍家相続を嫌い、自ら騒動を巻き起こす。挙げ句の果てには江戸城にたった一人で殴り込みを掛けるほどの大胆不敵。地方大名や柳生一族も恐れをなす、前代未聞のスーパー剣士だ。
 
 それにしても、斬りも斬ったり何百人!新吾に刃向かう武士達は、役人だろうとお構いなしに皆殺しにされてしまう運命だ。とにかく殺陣が早い早い。前も後ろも、周りの敵は次々と新吾の剣の舞に秒殺される。考えてみたら、こりゃ恐るべき殺人鬼じゃないか!彼に斬られた悪人や罪のない役人達にも家族があるだろうに…。と思っていたら、「新吾二十番勝負・完結編」では遺族達が登場して、新吾に迫るシーンがちゃんと用意されていた。成る程、遺族達へのフォローもバッチリしたことだし、これで晴れてハッピーエンドを迎えられる。いやぁ、目出度し目出度し。
 
 改めて見直して、往年の大スター大川橋蔵の素晴らしさを再認識する。こんなスターはもう出ないだろうね。脇を固める更に大スターの大友柳太朗や 大河内伝次郎 がまた凄い。月形龍之介なんか見るからに剣豪という感じで、一言喋るだけでも見ている方が恐れ入ってしまう。大河ドラマ「 武蔵 -MUSASHI-」の体たらくを見るに付け、昔はホントに凄い役者が揃っていたんだなぁと、つくづく思い知った。(ちなみに、現在TVドラマでまともに観られる時代劇は「剣客商売」位だと思います。)