4月25日 「スズメバチ」
 
 昨日TSUTAYAへ行った時、お目当ての新作DVDがまだ入荷していなかったので、今日も再度挑戦してみた。すると幸いなことに、狙い目の作品全てが揃っていた。早速全部借りて、観てみることにしよう。果たして出来の方は如何かというと、これが全て及第点だった。しぶとく通った甲斐があったというものだ。
 
 「スズメバチ」は柔なハリウッド映画とは一味も二味も違った硬派のアクション映画だ。劇中に流れる懐かしのメロディーにゾクッとするガンマニアなら、きっと狂喜乱舞することだろう。無駄な台詞を極力排した演出なので、冒頭の人物描写の一挙一動が重要になる。ここをちゃんと観ていれば、それぞれのキャラクターの行動と顛末が理解出来るはずだ。敵は良心のかけらも一切持ち合わせない覆面の武装集団だから、観客はひたすら生き残ることに集中することが出来る。
 
 公開当時は評判も今一つパッとしなかったけれど、これがとんでもない拾い物だった。もちろん好き嫌いはあるだろうが、間違いなくハードボイルド・アクション映画の傑作と言える。タイトルの「スズメバチ」は、観客がスズメバチに刺されて身動きの取れなくなった土蜘蛛の心境になるという事と、弾丸で蜂の巣にされる意味を表しているそうだ。あんまり面白いので、私は立て続けに4回も観てしまった。それにしても、どうしてフランス映画の銃弾は痛そうなのだろう?
 
 「ディナーラッシュ」は実に良く出来た群像映画だった。監督自ら何軒もレストランを経営しているらしく、道理でレストランの裏表の描写が臨場感溢れているはずだ。厨房のコックはもとより、給仕やバーテンダーまで一人一人のキャラクターが非常に良く描き分けられている。何だか映画を観ているだけで、本当にニューヨークのイタリア・レストランに迷い込んだような錯覚さえ覚える。いやぁ、美味しい映画を観て、すっかり満腹になってしまった。