4月17日 「北北西に、さよならジュピター」
 
 二子玉川の高島屋にあるDVD/CDショップ「すみや」で元映画監督の三好邦夫さん(いつになったら『元』が取れるんだ?)と待ち合わせをする。実はこの店に前来た時、「ヒッチコック・コレクション」の白ボックスがオマケのバッジ・セット付きでまだ残っていたからだ。
 
 「白ボックスはヒッチコック晩年の作品が多く、『鳥』意外は今一つなのだが、オマケのバッジ・セットが付いているなら買っても良いかな。」とは三好さんの弁。しかし、こういう初回のみのプレミア・セットは、見かけた時に「一期一会」と思ってゲットするのが鉄則だ。その機会を逃したら、大概二度とチャンスは訪れない。案の定、白ボックスは既に売り切れていて、三好さんは地団駄を踏む結果となった。
 
 だが、私がここに来た目的は別にある。三好さんからティファールの鍋セットを譲ってもらうのだ。例の取っ手が取れる便利な鍋だ。三好さんは料理マニアなので、家には食器やら鍋やらが沢山置いてあり、余った物を時々譲ってもらったりしている。
 
 鍋を受け取った後、三好さんと昼飯を食べながら映画の話などする。「それにしても、あのボックスはどういう基準で選んだのだろう?」「確かに黒では『サイコ』白では『鳥』という代表作が入っているけれど、『北北西に進路を取れ』や『海外特派員』『泥棒成金』『白い恐怖』『汚名』『バルカン超特急』『レベッカ』『ダイヤルMを回せ』なんかが入って無いのはどういうワケだろう?」「う〜む、納得出来ないなぁ。」などと、買いそびれた悔しさも手伝って、ヒッチコック・コレクションに文句を言う。私は両方とも持っているけれど、やっぱりこのセレクトは納得しがたい。もしかして、この後グレー・ボックスとかプラチナ・ボックスとかが出るのだろうか?(店の人に聞いたら、ボックスの予定はないけれど、単品の廉価版が出るそうです。)
 
 帰りの電車で無性に「さよならジュピター」を観たくなってきた。「すみや」でもDVDを売っていたけれど、割引サービスも無いし、買うのを躊躇った。映画の出来として観るのがかなり辛い部類の作品だが、結構思い出深い映画ではある。なにしろ三好さんがチーフ助監督をしていた関係で、我が家のビデオデッキを使って劇場予告編の模擬編集を行ったことがある。だから予告編だけは結構面白そうに出来ているでしょ?
 
 そんなワケで、鍋セットを抱えたまま南南西に進路を変えて、新横浜駅のビックカメラに向かう。しかし、あいにく「さよならジュピター」は売り切れていた。仕方ないので新横浜プリンスペペの「バンダレコード」で買うことにする。二枚買うと1割の商品券をもらえるというので、小松左京繋がりで「復活の日」も買う。更に貰った商品券で「北北西に進路を取れ」をゲット!まるで「わらしべ長者」みたいだ。
 
 しかし考えてみれば、勢いで買ってしまったものの、「北北西……」以外はなかなか観るのが辛そうだなぁ。どうにも物足りなさを感じるので帰りにTSUTAYAに寄ってみると、新作DVDが結構入荷していた。ここは一つ、面白いことを祈りながら借りてみよう。きっと面白いに違いない。面白いだろう。面白いかも?