3月17日 「恐怖のドライブ〜大磯編」
 
 昼過ぎに勝川克志さんが車で我が家を訪れ、一緒に大磯に出掛ける。入院中のアスカ蘭の為に、彼の原画コレクションを撮影するのが今回の任務。なんてったって日本屈指のアメコミ・コレクターのアスカ蘭の事だから、とんでもない原画がゾロゾロ出てくる。ニール・アダムスの生原稿からミニョーラの生原稿まで、よくもまぁこんなに集めたものだ。日本では殆どその価値が見出されないかも知れないけれど、本国アメリカではそれこそとんでもない値段で売れそうな原画もある。いやホント、凄いんですよ。
 
 一枚一枚デジカメで撮影し、データをノートパソコンに移してから、奥さんの誘導でアスカ蘭のいる新しい病院へ向かう。彼はこれまでいた病院での治療も終わり、今はリハビリ専門の病院で社会復帰の訓練を続けている。奥さんにCTスキャンの写真を見せてもらったら、かなり出血していた事が判った。いや、これでよく生きていたものだと感心する一方、私が如何にラッキーだったか判って、今更ながらに驚く。彼の場合、復帰までにはまだまだ時間が掛かりそうだけれど、とにかくリハビリに励んでもらいたいなぁ。…などと思っていたら、何と今年のサンディエゴ・コミック・コンベンションに行くつもりだって?なんか凄い執念だ。この調子だと、もしかしたら本当に行くかも知れないぞ。
 

 アスカ蘭に先程撮ってきた写真をパソコン上で確認してもらったら、結構まだ抜けている物があった。さて、それが何処に収納されているのかは本人にしか判らない。もしかすると、また撮りに来ないと行けないかも知れない。まぁそれはさておき今回の任務はこれで終了し、勝川さんの車で大磯の「たまや」に夕飯に出掛ける。大衆食堂だが、奥さんの話では何でも美味しいという話だった。試しに刺身の盛り合わせとかエビフライなんかを食べてみたが、本当に美味しかった。さすが漁港の近くにあるだけのことはある。値段も安くて嬉しいことづくし。美味しい物なら、漁港の食堂というのも狙い目かも知れない。
 
 さて夕飯を済ませて家路を急ぐ途中、どうも勝川さんの様子がおかしい。ふと気が付くと、車線を大きく右に乗り出しているじゃないか!「おい!右に寄ってるぞ!」「はっ?」「しっかりしてよ!」「うん、20秒くらい意識が遠のいていた。」「ゲゲッ!居眠り運転は勘弁してくれ!」「いや、昨日徹夜したもんで…ウトウト」「こらぁ〜っ!また眠るな!」「うん、ウトウト…」「ひぇ〜っ!」こうしてモン・サン・ミッシェルの悪夢が再び我々を襲ったのでした。桑原桑原、鶴亀鶴亀…。