3月7日 「好みの問題」
 
 以前より評判だったアニメ「千年女優」をようやく観る。成る程、変わった趣向のアニメだ。こういう時間と空間が入り乱れた演出方法は多分に観客を混乱させるので、各エピソードや登場人物を如何に印象づけるかがポイントとなる。その点アニメという手法が充分功を奏していると思う。だが主人公の七変化があまりに見事なので、観客がそれに気をとられ、重要な脇役の影が薄くなってしまっているのが気になる。それに、主人公の動機付けの一番大切な部分が弱く、今一つ感情移入出来ないのは残念だ。本来なら映像製作会社の社長を中心に描くべきではないかと思うが、わざとポイントをずらす演出なのかも知れないので、そこは好みの問題なのだろう。
 
 何だか文句ばかり並べ立てているようですが、アニメの出来が良い作品には、どうしても欲が出て点数が辛くなってなってしまうのです。恐らく全ての元凶は音楽にあるのではないでしょうか?特に主題曲でこの作品は大分損をしていると思います。好みの問題でしょうが。
 
 香港映画の時代から金城武をひいきにしていたので「リターナー」も観る。実は同じ監督の「ジョブナイル」はあまり好きでない。出ている子供の演技が好きになれないからだ。恐らく監督の演技に対する解釈の問題というか、好みの問題だと思う。要するに肌が合わないのだから仕方ない。
 
 まあ「マトリックス」「ターミネーター」「ブレードランナー」「ミッション・インポシブル2」「リーサルウェポン」「ナビゲーター」「ET」「バトルフィ−ルド・アース」「ダイハード」…みたいなシーンが一杯出てきますが、CGや造形が非常に頑張っているので目を瞑ろう。話もかなり強引だけれど、なかなか良くできている…気がする。相変わらず力んだ演技が気になるが、金城武が出ているので「ジョブナイル」よりは好感が持てる。好みの問題ですが。