1月15日「オマージュ」
 
 A君の事があったので、家の中に籠もっていてはいけないと思い、散歩に出掛ける。ついでにTSUTAYAでDVDを借りる。借りた物は返さなければならないから、返す時にも散歩に出掛けることになる。TSUTAYAに寄ることは健康のためにもなっている。
 
 今回借りた作品は「オースチン・パワーズ:ゴールドメンバー」と「クライム&ダイヤモンド」。全く毛色の違う映画だが、それぞれが違った方法で過去の名作にオマージュを捧げていて非常に興味深かった。
 
 「オースチン・パワーズ:ゴールドメンバー」は周知の通り下品なギャグ満載のお笑いパロディー映画だが、とにかくその徹底ぶりが尋常じゃない。アメリカで受けに受けまくっている人気シリーズなので、お金の使い方も大盤振る舞いだ。いやはや、今回は最初の5分で本当にたまげてしまったですよ!それにしても、こんなにくだらないギャグやパロディーに莫大なお金を掛けまくるアメリカという国は、ある意味ホントに凄い国だと思う。
 
 それに比べて「クライム&ダイヤモンド」(どうでもいいけど、このタイトル何とかしてくれ!)はじつにスマートな作りになっている。ティム・アレン扮する殺し屋が異常なまでの映画好きという設定からして嬉しい。シナリオも音楽も演出も隅から隅まで映画に対する愛に溢れている。話としてはかなり無理があるけれど、観ている間は心地よい映画の夢を充分見させてくれる。古き良き名画のあのシーンを彷彿させる画面が満載で、まさに映画好きによる映画好きのための映画と言える。映画マニアなら、ここであの曲が流れてこんな台詞を吐いてあんな事をするに違いないと思うだろう。するとちゃんとその通りにしてくれるのだから思わず頬が緩んでしまうんですね、これが。