12月31日「総括」
 
 今年は予期せぬ大病で2ヶ月も入院させられてしまった。入院した時はまだ冬だったが、退院した時はもう桜も散っていた。おかげで春を根こそぎ失った思いがする。それでもワールド・カップは無事観れたし、「はじまりの冒険」も発売された。次のゲームの製作も着々と進められている。でも個人的にはあまり仕事をしなかったという印象が強い。今年一年を総括すると、何だか人生の小休止みたいな気がする。でもそれはきっと次のステップに進む前の深呼吸みたいなものだろう。
 
 顧みれば、「ポポロクロイス物語」を描き始めてからもう20数年の月日が流れた。初めは何をどうすればいいのか判らなかったが、発表の場を次々と開拓する内に漫画からゲーム、そしてアニメへとポポロの世界は次々に変貌し広がってきた。しかし、それと共に何故ポポロを作り続けるのか、その理由と意義が次第に明らかになってきた様な気がする。果たしてこれからポポロは何処に向かうのか?それは未だに謎だけれど、今まで着実にまいてきた種がそろそろ芽を出し始め、いずれ実を結びそうな気配があることだけは確かだ。その大きな変動の前の静けさ。それが今年だったのだろう。
 
 来年のことを言うと鬼が笑うけれど、来年は初心に戻りもう一度ポポロを振り返って進むべき道を確かめようと思う。とにかく昔からの懸案だった仕事を片付け、このライフワークに一つの区切りをつけたいと思っている。それに今度こそ花見に行きたいと願っている。では、みなさんも良い年をお迎え下さい!