8月26日

 午前中にディーラーが来て、車を12ヶ月点検に持って行ってしまった。車が無くなって初めて気が付いたが、最近散歩の時間が極端に減っている。今年の夏は特に暑かったので、どうしても散歩を怠けがちだったけれど、おかげですっかり足腰が弱くなってしまった気がする。体重も増えてきたし、これじゃあ元の木阿弥だ。反省して今日からちょっと歩き始めることにした。

 散歩の途中で例によってTSUTAYAに寄ってみる。金曜日入荷(正確には木曜日に入荷する)の新作はたいがい月曜あたりに返却されるはずだから、今日の午後が狙い目なのだ。案の定、先日借り損なった「WASABI」や「ジェヴォーダンの獣」や「マルホランド・ドライブ」のDVDが全て返却されていた。かなり気掛かりな作品ばかりなので、こいつは結構楽しめるかも知れない。

 「WASABI」ではジャン・レノが相変わらず渋くて良い。広末涼子もフランス語がなかなか流暢だ。観ていてフランスなんだか日本なんだかゴッチャになるところが面白い。日本の町中で銃撃戦を繰り広げたり、初対面の日本人にいきなりフランス語で話しかけたりするのはご愛敬として、秋葉原を新宿と呼ぶのはどうかと思う。まぁ外国人にとっては、どちらも似たようなワンダーワールドかも知れないけれど。

 「ジェヴォーダンの獣」にはとにかく驚いた。入り口は「スリーピー・ホロウ」のようなモンスター・ホラーだが、中に進むにつれてまるで京都の料亭みたいな底知れない広がりを見せてくる。この展開。まさに「バンド・デシネ」(フレンチ・コミック)のようだ。ハリウッド映画なら、終始対決ムードで盛り上げていくだろうけど、そうしないところがフランス文化なんだねぇ。結構大作なので驚いてしまったが、宣伝の仕方が多分間違っているのだろう。

 「マルホランド・ドライブ」は恐らくディビット・リンチの最高傑作と呼べるだろう。と言ったら、じゃぁ「ストレイト・ストーリー」や「エレファントマン」はどうなんだと反撃を食らいそうだが、とにかく久々のリンチ節の復活なので嬉しい。こんな映画が撮れるなんて、リンチはホントに巨匠になったなぁと感慨深いものさえある。まさに時空を越えた夢想の迷宮!この作品を楽しむためには、論理的に謎を解こうとせず、感じ取ることが「鍵」だろう。「ツイン・ピークス」がまた観たくなった。