8月7日

 入院中、和田慎二さんが見舞いに来た時に、「元気になったらまた川越に行って『くらづくり本舗』の和菓子を買いたいね。」という話をした。そこで今日は朝から東京を横断して、遠路はるばる埼玉の川越市まで出掛けることになった。

 川越には非常に変わった玩具屋が多くあるので、むかし埼玉の新座に住んでいた時には度々川越に出掛けたりしていたものだ。しかし、久しぶりに来てみて驚いた。本川越駅前には「プリンスホテル」や「ペペ」は出来るわ「丸広百貨店」は新装開店するわ、何とまぁ大きな街に変わってしまったものだ。

 そうは言っても、蔵造りなど昔ながらの街並みはちゃんと残っているから、ここはホントに面白い街だ。それに和菓子が美味い。鰻も有名らしいが、まだ食べたことはない。江戸時代、川越は北の守りとして重視され、江戸に物資を供給する地としても栄え、「小江戸」と呼ばれる程の賑わいだったそうだ。また、日本橋からの距離に引っかけた「九里四里(栗より)うまい十三里半」のうたい文句で有名なサツマイモの産地でもある。

 せっかく川越に来たけれど、やっぱり玩具屋巡りをしただけで、蔵造りの街を観察したり郷土料理を食べることもなかった。和菓子を買えたし、ついでにシュタイフ百周年記念チョロQも手に入れたので満足だけど、今度来る時にはちゃんと観光してみようと思う。

 帰りに久米川に寄って、勝川克志さんと久しぶりに会った。何でも今年、待望の漫画全集が発刊されるそうだ。私も長い間本の仕事を疎かにして来たけれど、そろそろ新刊に向けて頑張らなければいけないなぁ。

 家に帰ると、ディレクターの梅崎クンから大変な知らせが入った。かなり急なことで、梅崎クンもショックを隠せない様子だ。私も大きな衝撃を受けたが、今はメゲている場合ではない。なんとか心の動揺を押さえつつ、頭を切り換えていかなければ…。夜は感情を高ぶらせるので、取り敢えず今日は早く寝よう。どんな内容かはいずれ明らかにするとして、今日はこれまで。