8月2日

 「スパイゲーム」を観た。何だか凄く切れ味の良い画面だなぁと感心していたら、監督がトニー・スコットだった。もちろん芸術性と重厚感では兄のリドリー・スコットの方が数段勝っているけれど、生きの良さとスピード感では弟の方が上だろう。それにしても最近の映画はカット割りもスピーディーで、テンポが早いこと早いこと。一瞬のショットを見逃しただけでも話についていけなくなってしまう。観客がこのスピードについて行けるのかちょっと心配なくらいだが、最近のTVを観ても全体のテンポがどんどん早くなっているから、きっと観客は皆ちゃんと理解出来ているのだろう。ということは、私の頭の回転が遅くなっているということか?

 そう言えば、当時あれ程面白かった「V」も改めて観てみたら、テンポがゆったりしていて、何だかのどかで緊迫感が全く感じられなかった。どうやら知らず知らずの内に私も世の中のスピードに順応させられているらしいが、情緒を感じるゆとりだけは失いたくないものだ。