6月1日
 
 先日買ったDVD「ビーンストーク」を観る。おとぎ話の中には教訓的な寓話も多いけれど、中には首を傾げたくなるような不道徳な話もある。例えば「ジャックと豆の木」の話。主人公のジャックが巨大な豆の木を登って行き、雲の上にあるお城から巨人の宝物を盗み出し、追いかけてきた巨人を豆の木を切って倒したという話だが、これってよく考えると強盗殺人罪じゃないの?

 何しろ泥棒のジャックの話だから、「嘘つきは泥棒の始まり」の例えの通り、そもそも雲の上に住んでいた巨人だって本当に凶悪で恐ろしい巨人だったかも怪しいものだ。果たして真相はどうだったのだろうか?その辺りが長年気になっていたのだが、この「ビーンストーク」を観てようやく胸のつかえが取れた思いがする。

 さてこの作品、TV用映画だし「おとぎ話」だからと高をくくっていたら、これがなかなか良い出来で、意表を突かれるストーリー展開にあれよあれよと引き込まれて、終いには思わず目が潤んでしまった。それにしても脇役陣が恐ろしく豪華だ。ジョン・ヴォイトにリチャード・アッテンボロー、ダリル・ハンナまで出ている。TV映画によくもこれだけの豪華俳優陣が出演したもんだと不思議に思っていたら、監督がジム・ヘンソンの息子のブライアン・ヘンソンじゃないか!成る程さすがジム・ヘンソン。多くの映画人から愛されていたんだなぁと納得し、何だか嬉しくなった。