3月3日「ロード・オブ・カマクラ」:ピエトロ王子

 朝早くから田森さんと一緒に地下鉄で横浜駅に向かった。そして横浜からはJR横須賀線に乗り換えて北鎌倉駅まで行く。じつは今日はJSC(ジャンボ・サファリクラブ)の遠足があって、北鎌倉から鎌倉方面にハイキングをするんだ。でも、さすがにこの時期は花粉症や風邪などが流行っていて、かなり欠員が出てしまった。参加者の中にも風邪をひいたり、体に不調を訴えたりする人がいる。そんな中アウトドア派のヒサクニヒコさんだけは完全装備で相変わらずテンションが高い。とにかく北鎌倉から出発だ。旅の仲間はボクを入れて8人。みんな無事に目的地まで辿り着けるだろうか?

 まずは北鎌倉駅から歩いて10分。鎌倉五山第四位の古刹「浄智寺」へ行く。解説書を読むと、ここは北条宗政の妻と子の師時が1281年(弘安4)ごろに建てたんだそうだ。入り口で売っていた「幸せ かえる」というお守りが面白い。鎌倉七福神の一人、布袋尊があって、何だかヒサさんにそっくりだった。そう言えば近くにある狸の像の方も似ているなぁ。     

 「浄智寺」から山道を歩くこと50分。「源氏山公園」でお弁当を食べる。ここは桜の名所らしいけれど、まだ時期が早いので桜は咲いていなかった。桜が咲く頃は人が一杯なんだろうなぁ。野良猫がお弁当を狙って、こっちを見つめている。こういう時に餌を与えてはいけないんだけれど、面白いので余ったご飯を少しあげてみる。ここの猫たちは観光客の残飯を主食としているようで、弁当を仕舞い始めたら、すぐに姿を消してしまった。

 「源氏山公園」から15分程歩いて「銭洗弁財天社」に着く。暗い洞窟を抜けると、タトゥイーンのルークの家みたいな所に弁財天があった。こ
この水で洗ったお金を使うと、何倍にもなって戻ってくるそうだ。早速みんなでお金を洗ってみる。洗ったお金はその場で使ってしまったけれど、果たして効果はあるのかな?寒いのでみんなは甘酒を飲んで暖を取っていたけれど、ボクは未成年なので休憩所で日向ぼっこをする。キャラクター物に弱い田森さんはキティちゃんのお守りを買って喜んでいた。

 「銭洗弁財天」から10分程歩くと「佐助稲荷神社」があり、ここから先はかなりの急勾配の山道が続く。山の尾根を行くこと30分。眼下に鎌倉の街が広がって、その向こうに海が見えてきた。後ろからやって来たホビット=ボーイスカウトの一行をやり過ごし、「新大仏坂トンネル」の所から街道に出て、「高徳寺」に向かう。

 「高徳寺」の境内入り口は改装中で仁王様はお休み中だった。会えなくてちょっと残念。珍しい白い狛犬に挨拶して中に入ると、居ました居ました。あれに見えるは鎌倉の大仏様だ。早速記念写真を撮る。20円を払って大仏様の中に入るとガラ〜ンとしているだけだった。側に大仏様のわらじが掛けてあったけれど、やっぱり大きいなぁ。去年見た、浅草寺のわらじとどっちが大きいんだろうなぁ?

 「高徳寺」まで来れば、最寄りの長谷駅までもう間近だ。そろそろお腹が空いてきたけれど、夕飯まではまだ早い。取り敢えず、近くの「樹」という喫茶店で一休みすることにする。店内でミルクを飲んでいると、近くでゴソゴソ動く気配がする。出たか妖怪!と思わず竜の剣に手を伸ばすと、目の前に「ピッチャー」(ポポロのモンスターです)じゃなかった、「リス」が現れた。しかも3匹!ついでに鳩が3羽!次々に現れる小動物たち。どうやらこの店のおばさんが餌付けしているらしい。なんか、ちょっと変わった喫茶店だった。

 喫茶店で一息ついて、日本出版社の矢崎さんは指輪の魔力に魅入られ…じゃなかった、風邪気味なので一行から離脱した。で、残りは近くの「長谷寺」に寄ってみた。ここで身長9.18メートルの十一面観世音菩薩様と対面する。うひゃぁ!大きいなぁ!このお寺には、他にも阿弥陀堂、地蔵堂、大黒堂、弁天堂に十六童子、かきがら稲荷、経蔵等があり、他にも日本最大の木魚や仏足石なんかもあり、とにかく見所沢山。しかも境内に植えてある花の種類も豊富だから、まるでお寺のテーマパークみたいな所だった。

 長谷寺を巡っている内にすっかりお腹が空いてきたので、側にある老舗のそば屋「以志橋」で蕎麦を食べることにした。成る程〜っ、有名なだけあって美味しいね。蕎麦つゆもあまり濃くないし、蕎麦も上品で、とっても食べやすいなぁ。長谷には他にも名店が沢山あるそうなので、今度来たら色々な店を廻ってみたいね。

 食後、長谷駅から「天国と地獄」で有名な「江ノ電」に乗って、鎌倉駅に向かう。江ノ電の車両って、外観はレトロなのに、内装は結構モダンな所が面白い。今度ナルシアと一緒に来た時は、是非とも先頭のロマンス・シートに二人で座りたいなぁ。

 気が付けば、電車はあっという間に鎌倉駅に到着してしまった。ここでDO&DOの中沢さんとお別れして、ボク達は横須賀線で東京方面へ。そして、その後横浜で地下鉄に乗り換え、帰路についた。「王の帰還」で、めでたしめでたし。